photo by Akira Uehara (The SAX)
about “2 of a kind”
東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦と藤枝伸介 (ex-i-dep,SoFa Records,Polar Chalors,sound furniture)によるサックス・デュオ、2 of a kind。
二人のアンサンブルにより織り成されるシンプルかつ色気漂う音色は、二人のこれまでの活動から引き継がれたSKA、JAZZなどの音楽的要素を内包しつつ、映画や映画音楽への愛着、傾倒を感じさせる情緒をも醸し出す。シンプルかつ自由な音の織り成す世界に、観るものはある一遍の物語をも見出すであろう。
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当日遊びにきてくれたThe SAX編集部”アッパーサバンナ”氏のライブレポート
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みなさんはじめまして。
THE SAX誌 編集人、アッパーサバンナと申します。
先日は、渋谷NOS ORGで開催されたイベント「NOS ORG 2nd ANNIVERSARY ー BASQUIAT NIGHT ー by Reebok CLASSIC」に足を運んできました。
今回はThe SAX Facebookページで、このイベント当日の模様をご紹介しましょう!
当イベントは、80年代のNYにおいて一際異彩を放ったアーティスト、「BASQUIAT(バスキア)」を讃え、前衛的なストリートカルチャーを世界に発信していた当時のNYを、芸術・音楽を通して再表現する、といったコンセプトだったようです。スポンサーがReebokだけあって、出演者の足下はキラキラとまぶしいReebokのスニーカーで統一されていました。
店内は、色鮮やかなバスキア作品の原寸大プリントが一面に飾られていて、普通のクラブイベントとは明らかにひと味違う、アングラなのにスタイリッシュに洗練された大人の雰囲気。出演者もリップスライムのRYOZZY JEFFやキックザカンクルーのLITTLEらが集まる「アスタラビスタ」、横浜レゲエ祭の主催者でJ-レゲエの界の雄「Mighty Crown」、Nujabesとの共演をはじめ世界的なファンを掴むMC「Shing02」など話題のアーティストが参加したイベントだけあって、お客さんも大盛況でした。
しかしですね、このイベントの一番の目的は、バスキアでもRYOZZY JEFFでもありません!(あくまでザ・サックス的にですが…)
そう、このイベントの目玉は、独自の感性で音楽を創造しつづける藤枝伸介さんと、メジャーシーンを爆走する東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さんがタッグを組んだ新たなユニット「2 of a kind」が、オープニングアクトに出演することなのです!
お二人の個人的な親交から結成されたこの「2 of a kind」は、藤枝さんと谷中さんの二人だけのユニット。バックのメンバーはいません。ソプラノとバリトンの2本だけで旋律を奏でるんです。これを聞いただけでも面白そうなニオイがしてきませんか?
ハロウィーンシーズンのFriday nightということもあり、フロアにはイケてるメンズ、ガールズのみなさまがひしめき合っていたのですが、そんな中でも一際目立つこのお二人。登場するやいなや、会場からは「カッコいい…」というため息のような声が、そしてひとたび演奏が始まると、フロアはどよめきと喝采で包まれました。
谷中さんがバリトンで低音を支え、藤枝さんのソプラノがメロディを吹く、なんてありきたりなものではありません。一方がメロを吹けば、もう一方がすかさずカウンター・メロディを奏で、そんな二人の掛け合いが熱を持ったまま繰り返されながらも、要所要所でバリトンが低音のビートを刻み、ソプラノがここぞという高音の盛り上がりを逃さない。一定の場に留まることなく走り抜けるかのような、その疾走感たるや凄まじかったです。
それでいて披露してくれた5曲すべてがキャッチーなアレンジで、はじめて聴くオリジナル曲なのに、どこか聞き覚えがあるような親しみやすさも感じる。その背景には、二人に共通する「シネマ音楽」の世界観に基づく緻密なアレンジがあったようですが、それが場のスピーディな展開と掛け合って、盛り上がりにつながっているように感じました。
おそらく、サックスなんて普段はほとんど聴かないような人が集まっていたと思いますが、ソプラノとバリトンだけで普通ここまで盛り上がるか?!というほど、盛り上がっていました。
いやー、ほんとすごかったですよ。
深夜0時ちょうどから始まった豪華すぎるオープニングアクトはあっという間に終了。
「ソプラノとバリトンだけでここまでできる!」というサックスの可能性を改めて感じさせてくれたステージでした。
THE SAXでは、今後もこの「2 of a kind」の動向を追っていきたいと思います。
近々、本誌の方でもガッツリ紹介していきたいと思いますので、みなさん楽しみにしていてくださいね!
https://www.facebook.com/THESAXMagazine
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今後The SAX紙上でのインタビュー等も行われる予定です。
来年は早々に映像でも皆さんの前に登場できるかもしれません。
諸々決まり次第お知らせします。
楽しみにしていてください。